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オーテク新製品 AT-BHA100 & AT-DAC100に思うこと【ヘッドホンアンプとDAC】

先日、日本のaudio-technica(オーテク)からヘッドホンアンプとDACが発表されました。

よくあるDAC兼HPAの複合機ではなく、完全に独立した単体の機器として、幅広い組み合わせの柔軟性を持ち、少し踏み込んだマニアにも十分求心力のある製品かと思います。が、これら2つの新製品を眺めているうちに気になる点(というか謎)がいくつか出てきたので、ここに大いに批判したいと思います。

AT-BHA100

こちらがヘッドホンアンプです。主な特徴はプリ部に真空管を用いていること、二種類のバランス出力に対応していること、ヘッドホンを二台同時にドライブできること、暗いでしょうか。プリ部に真空管を用いたトランジスタとのハイブリッドはよくあるデザインで、珍しいと言うほどのものでもないと思います。

バランス回路は随分と凝っているらしく、よくある「バランス出力には対応しているけど実は内部はアンバランス」ということではなさそうです。好感の持てる設計ですね。

https://www.audio-technica.co.jp/upload/contents/product/AT-BHA100/5f7c1e81067da275282043.jpg?xz=19110707-P(公式から引用)

バランス入力に対応しているので、バランス出力のあるDACがあればフルバランスのシステムを構築できそうです。電源はACアダプタですね。iPurifierDCが活躍しそうです。

ぜひ音を聴いてみたいです。

 

これは割と良さそうです。ヘッドホンアンプとしては真っ当ですし、ユーザーのバランス入出力のニーズにもこたえています。13万円程度の価格というのも、音を聴いてみるまでは高い安いの判断はできません。強いてケチをつけるならデザインがダサい点くらいでしょう。

AT-DAC100

このDACが中々に謎です。

まず、デザインが酷い。

https://www.audio-technica.co.jp/upload/contents/product/AT-DAC100/5f7c2c4ae1838464764856.jpg?xz=19110707-P

なんですかこれは。はじめWi-Fiルーターかなにかかと思いました。これはダサすぎます。良く言えば業務用っぽい無骨さがあり、かっこいいといえなくもないですが。いっそラックマウントでも付けたほうが良かったのではないでしょうか。

https://www.audio-technica.co.jp/upload/contents/product/AT-DAC100/5f7c2bb1206ca679137015.jpg?xz=19110707-P

公式ページから引用したイメージです。洒落た木材基調の温かみのある生活空間にこれらの製品が配置されるのは明らかにミスマッチに思えます。

768kHz/32bitのPCMと22.4MHzのDSDに対応しているらしいです。市場にあるほぼ全ての音源に対応できるという点は評価できるかもしれません。

値段はおよそ9万円。その値段に見合ったDACチップやオペアンプなどの部品が使用されているかについては、甚だ疑問が残りますが、重要なのは音ですね。

 

ここからが、私が感じた一番の疑問です。

 

https://www.audio-technica.co.jp/upload/contents/product/AT-DAC100/5f7c327dba2e1033708422.jpg?xz=19110707-P

 背面のイメージです。USB TypeB、Coaxial、Opticalと主要なデジタル入力は全て備えられており、親切にもUSB TypeC入力さえもついています。一方で出力については、一般的なライン出力のみで、バランス出力がありません。この点、謎です。

真空管アンプにマッチしたチューニング

真空管アンプは、組み合わせたD/Aコンバーターの高周波ノイズが真空管に影響を与え、アンプのノイズ性能が劣化しやすい特性があります。本製品では独自のチューニングにより、D/Aコンバーターの高周波ノイズ流出を抑え、ハイレゾ音源が本来持つ高品位な再生を実現します。特に AT-BHA100 との組み合わせに最適です。

公式サイトからの引用です。同時に発表されたAT-BHA100と組み合わせるのが最適とのことです。明確にこのように宣伝されていますし、公式サイトのイメージからもこのAT-DAC100がAT-BHA100と共に使用されることを前提として開発されているらしいことはわかるのですが、それならなぜバランスアウトを設けなかったのでしょうか。

さんざん、AT-BHA100のバランス回路のこだわりを宣伝しておきつつ、同時使用を想定したAT-DAC100にバランスアウトがなければ、フルバランス構成にはなりません。

これはとてももったいないことだと思います。DACにバランスアウトを設けることで得られる音質向上がコストに見合わない微々たるものだったのか、ただの手抜きなのかは知りませんが、ユーザーとしてはもやっとするところがあります。

真空管とバランス回路の独立性に拘ったHPAと、そのHPAとの相性に拘った、しかしバランス出力は無いDAC。なんとも不和です。

まとめ

ヘッドホンアンプの方はかなり良いと思います。トレンドに対応していますし、真空管トランジスタのハイブリッドも個性があってよいです。

しかし、デザインがあまり良くない。もう十年以上前の製品ですが、同社のAT-HA5000なんかはいかにも高級オーディオらしくてすごくかっこよかったです。これと比べると今度のAT-BHA100はチャチでつまらないですね。

https://www.audio-technica.co.jp/upload/contents/product/AT-HA5000/product_image_1585022425.jpg?1585022425

 HPAと組み合わせる前提のDACラインアウトしか装備していないというのが一番残念でしたね。なにゆえバランスを省いたのかはわかりませんが。

この記事は外観を見て思ったことを書いたのみです。音の方は一度も聴いていないので、これらの機器を試聴する機会があれば、そのときに追記したいと思います。

 

Rupert Neve Designs RNHP レビュー【ヘッドホンアンプ】 - ヘッドホンでオーディオ!